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こんにちは。haruです。
今日は睡眠薬についてお話したいと思います。繰り返しになりますがあくまで私見です。
狭義の睡眠薬のみでなく広い意味で睡眠薬がわりに使う薬まで触れてみようと思います。商品名で記載するので同じ成分だけど名前が違う薬(ジェネリックなど)はカバーできないこと、ご了承ください。
まずはじめに。
ハルシオン、デパス、ロヒプノール、ベゲタミン(販売中止になります)は新規では出さない主義です。なぜなら依存性や耐性(薬に慣れて通常の量では眠れなくなること)の問題が大きいから。これなしでは眠れない、って状態は極力避けたいのがねがいです。ここはかなり頑なで、譲れないポイントのひとつ。精神疾患は慢性疾患だけど、不眠症はたいていは一時的なものでなおると思うので、医原性に依存を作ってはいけないと思うのです。
マイスリー、アモバン
寝つきをよくする薬。アモバンは苦味がある。切れ味がシャープ。そのため依存もしやすいので短期間の使用が望ましい。けど、なかなかそうはいかないのが現実。
ルネスタ
アモバンの苦味をおさえた光学異性体。アモバンより効果時間が長いので途中で目が覚める人にも使えます。個人的には高齢者に出しやすい。
レンドルミン
安定の効果。内科の先生がよく処方されるイメージですね。
ベンザリン
途中でよく起きてしまう人に使う。依存性が低いように思う。
ドラール
長く寝たい人にごくたまに使うけど効果は???な感じ。
ロゼレム
これ効くっていう先生と全く効かないという先生とに二分されるイメージ。個人的には後者。睡眠のリズムを整える、ってイメージはいいんだけどな。ふらつきがないので高齢者の方におためしで出してみたりすることはあります。
ベルソムラ
満を持して!という感じ。個人差はあるけど効く人にはとてもよく効く。ふらつかない、依存性がない。素晴らしい。ただし薬価が高いところが難点。15mgで約90円、20mgで110円だもの。睡眠は大事だけど毎日パン1個買うくらいのお金がかかるのはちょっとイタイんじゃないかと思います。
ここからが番外編。個人的に眠剤がわりにつかう向精神薬を。(ほかの精神科医の先生も使います)
デジレル、テトラミド
抗うつ薬ですが抗うつ効果はあまりなく眠気の副作用があるのでその副作用を利用して使用。テトラミドの方がデジレルよりおもたいイメージ。ふらつかないので高齢者の方に使いやすい。
セロクエル
糖尿病があると禁忌。ききかたに個人差が大きい。きくひとはドロッとしちゃうくらいきくし、きかないひとはいくら量を積んでもきかない。作用時間が短く翌日まで持ち越さないことが多い。
ジプレキサ
糖尿病があると禁忌。セロクエルがきかない人に使うことがある。作用時間が長いので持ち越しに注意。
コントミン、ヒルナミン
これを眠剤がわりにするのは意見がわかれるところかもしれません。なぜなら効果が強力だから。ヒルナミンはさらに強力。どちらもドロッとした感じになる。糖尿病にも使えるので強固な不眠の最後の一手的な感じ。
以上になります。
薬理学的な正統派の情報は成書を読んでいただくとして個人的な雑感を書きつらねてみました。ベンゾジアゼピン系(いわゆる睡眠薬)は依存性の問題があるのでしぶしぶ処方するところがあるので、あまり使い分けができていないです。
でもお薬に頼る前に、眠くなるまで床につかないとか夕方以降はカフェインを避けるとか朝太陽を浴びるとかまずは生活習慣を改善することがセオリーです。「健康づくりのための睡眠指針12箇条」で探してみてください。
haruでした。
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