こんにちは。haruです。
精神科医は話をきくことがなにより求められる仕事かと思います。しかし現実の時間の制約もあり、初診で30~60分、再診で5~10分が一般的な時間枠です。「3分間診療」と揶揄されますが、たくさんの患者さんの力になる必要がありこれ以上時間がとれないのが現実です。
いろいろな立ち位置があるかと思いますがharuは「投薬調整」のために話をきく部分が6割くらいです。こう書くとつめたい言い方になるかもしれませんが、お薬ってほんとうによくできていて、精神症状は話を聞くだけで解決できないことがあるので、お薬の力を借りるのがいちばん早い場合が多々あります。
初診の場合。いま何にこまっているか、生活・仕事の様子はどうか。それらをまず自由に話して頂きます。話す内容、スピード、表情、感情のゆれ、視線、しぐさなどなどを観察していきます。服装や化粧の濃淡、持ち物、診察室に入ってくる雰囲気などもみたりします。この辺りでオーソドックスなものであれば診断がおぼろげながらについてくるので、そのあとは個別の疾患を思い浮かべながらこちらから積極的に問診していきます。病気のことだけでなく家族のことや学校、仕事のこと、飲酒喫煙の有無等々質問は多岐にわたります。
精神科医が話をきくということは「病気か否か」という判断をすることだと思います。なのでただひたすら話をきくのではなく必要な情報を収集しながら病気なのかどうかを探っていきます。なので人によっては「話をあまり聞いてもらえなかった」という印象を持つこともあるかもしれません。ニーズと一致しないのは残念ですが、病院にきている以上病気か否かの判断はとても重要になってくるのです。
そこで診断がつけば、投薬治療が開始となります。これが結構重要で、話をきくだけでは解決できない部分をしっかり補ってくれます。
再診の5~10分では、まずは薬の効果がどうでているかをききとっていきます。あとは食事や睡眠がとれているか、仕事や家事ができているかなど生活の全般的なことをききとります。とても時間が限られているので必要最低限のことしか聞けないのが現状です。
薬物治療だけでなく、その人の生活状況に応じて必要な福祉サービスの導入も検討していきます。以前に書いた自立支援医療制度などがそれにあたります。
精神症状をみるのではなく、精神症状がその人の生活にどのような影響を与えているのか、どのような生活になっているのか、ではその生活を支えるにはどうしたらいいかなどを考えながら話をきいています。
話をきくことが目的なのではなく、あくまで手段で診断・治療が目的です。そこを間違うと話の方向がとんでもない方向にいってしまうので、気をつけなければと思っています。
haruでした。
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