PTSDについて考えた

こんにちは。haruです。
今日はPTSDについて書いてみたいと思います。

古くからヒステリー研究などで知られていた症状ですが、ひろまったのはベトナム戦争のアメリカ帰還兵が次々に症状を出したためその支援が必要といったことでひろまった概念です。ただ個人的にはベトナム戦争の被害者の精神的な支援はどうなったんだろう…とは思うのですが詳しくないので割愛します。

PTSDの症状は大きく分けて3つあり、再体験・回避麻痺・過覚醒です。

再体験
体験した恐怖を過去のこととしてでなく、今ここでまさに起きているかのように感じることです。フラッシュバックや悪夢などを指します。

回避、麻痺
危険なもの、いやなものに出会わないように遭遇しそうな場所を避けること。危険なものを避けるためトラウマの記憶とその周辺を切り離しじぶんが感じるさまざまな感覚を切り離してしまいます。

過覚醒
神経が高ぶって緊張状態にある。不眠やいらいら、怒りなど。

このような症状はよく見られます。しかしPTSDの診断がおりないのはなぜなのか。

まずは診断基準の問題。
DSM-5によると、「危うく死ぬ、重症を負う、性的暴力を受ける出来事」という非常に限定的な場面であること。なかなかここまでの場面ってないですよね。

もうひとつは、PTSDが精神疾患に珍しく原因→結果の因果関係に言及しているからだと思うんですよね。それのなにが問題なのかというと、訴訟になった際に「◯◯が原因でPTSDになった」という話になってしまう。精神科医の診断ひとつで訴訟のながれが変わってしまうのです。しかし精神科医は基本的に患者さんの話しか聞けず、事実関係を把握することは困難です。患者さんを信じていますが、訴訟が絡んでくるとなにがなんやらわからなくなります。人間損得勘定が働きますから。

そういう訳でPTSDという診断を下すのは非常に慎重にならなくてはいけないのです。なのでよくするのは不安神経症などの病名をつけつつPTSDと思いながら診療にあたることです。

またPTSDの概念自体があたらしくあまり精神科医に認識されていないということもあります。治療法も心理療法が主体となり、診察時間7分の枠ではとても診られないのが現状です。

なぜかPTSDの治療をする精神科医は「胡散臭い」という目で見られるのも事実。心理療法は再現性が乏しく治療者の素質も問われるからかもしれません。何より薬で治らないというのがまどろっこしいといいましょうか。

また境界型人格障害(ボーダーライン)や解離性障害、双極性Ⅱ型障害と診断されている人のなかにもPTSDが隠れていることがあると思われます。特に人格障害については、精神科医が人の人格云々言えるほど立派な人格をしているのかどうか?という問題があると思うんですね。

そんなこんなで必要な人に必要な支援が届いていないのが現状です。haruもPTSDについての治療法は勉強中で、いつか人を癒せるようになれたらなと思います。

haruでした。


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